現役の品質管理・品質保証マンの森島章吾です

初めまして。『現場の品管品証』にアクセスいただきありがとうございます。
このブログをつくっている森島章吾(もりしましょうご)と申します。

私ってこんな人
  • 新卒で中堅モーターメーカーに入社
  • 勤続13年の37歳(未だ平社員)
  • 品質管理・品質保証を担当して5年

突然ですが、自分の仕事をネットで検索したことがありますか?
僕はあるし、検索結果を見て絶望しました。

この記事では僕がブログを始めた理由と、品質管理・品質保証としてどんな経歴があるのかご紹介したいと思います。

ブログを始めた理由

まずブログを始めた理由ですが、会社の壁を超えて、同じ品質管理・品質保証の人たちを応援したかったからです。
意識高い系ではありません。神の啓示も宇宙から謎の指令も受信してはおりません。

冒頭でも少し触れた通り、僕は自分の仕事『品質管理』『品質保証』のネット検索結果に絶望したのです。

ネットの検索結果は現実味がないか、あっても打開策が載ってない

『品質管理』『品質保証』を検索して出てくる記事は、大まかに2種類。

  • 現場を知らないコンサルか転職サイトが綺麗事ばかり並べた記事
  • 現場は知ってるけど、ほぼ愚痴を吐くだけで終わる記事

確かに品管品証の仕事はつらいし、僕の会社でもぶっちぎりの不人気職です。
それでもそこそこ気持ちよく働く術はあります。

「こういう品質管理・品質保証の働き方もあるんだな」と思ってもらえるよう、頑張って書いていく予定です。

【僕の職務経歴書】就活前の大学生〜品質管理・品質保証になるまで

偉そうに語っていますが、僕自身も最初は品管品証になんてなりたくなかったし、そもそも働くのが嫌いです。

ここからは、そもそもどんな人間なのか、どうやって今の仕事にたどり着いて、こんなブログをつくるに至ったのかをお話しします。

労働意欲ゼロの学生時代(今も割とそう)

大学院まで進学しましたが、理由は就活を先送りしたかっただけでした。
バイトもまったくせず、お金を稼ぐことよりなるべく働かずに暮らすことばかり考える人間でした。
昼飯を抜くとか、なるべく外に出かけないとか。外に出なさすぎて留年しかけたほどです。

今で言う省エネ男子というやつでしょうか。上司にもよく「覇気がない」と怒られます。

やる気ない就活の末、地方のモーターメーカーに就職

大学院まで進学したものの、いよいよ就職しなければならなくなりました。THE年貢の納め時。
周囲の成績優秀な学友たちが企業研究だ学内推薦だと戦略を巡らせるなか、僕は「こんな自分でも雇ってくれる会社ならどこでもいい」と近場の企業セミナーに行って、適当にエントリーしてました。

そんなある日、ぶらりと立ち寄った企業セミナーで暇そうにしてる人事のおっさんと目が合いまして

「……話聞いてく?」
「あはい……」

おっさんと世間話をして、エントリーシート書いて、面接に行って、内定をもらいました。
私の就職活動は終わりました。

今でもそこ=地方の中堅モーターメーカーで働いています。

開発部門を1年で追い出される

入社して最初の1年はモーターの開発部門に配属されました。
まあボロクソに怒られましたね。
バイト経験もなかったので、仕事での人づきあいも知らなかったし、部活動もやったことなかったので上下関係のある人とのつきあい方も未経験でした。

「失礼だ」「生意気だ」「常識がない」「やる気も感じられない」と毎日説教されて、1年で配置転換となりました。

材料分析課というクレーム処理係の下請けへ

開発部門の次に移ったのが、社内の材料分析課というところでした。
SEM-EDXとかFT-IRとかXCTとか。アルファベット略語だらけの設備を使って、物の成分とか状態を調べる部署だったんですが、主な仕事は不良品として返ってきた製品の分析でした。

  • 製品のケースが割れた
  • 金属部分が錆びた
  • ゴミが入ったらしくて動かない

製造部門のクレーム受付窓口の人間が「急いで原因を調べて!」と言って返却品持ち込んでくる部署でした。

ちなみにクレーム受付窓口の人たちに、僕の会社では品質管理という名前をつけていました。
いつも余裕がなさそうで、何かに怯えていて、「こんな仕事たまったもんじゃないだろうな」と他人事のように思っていた人たち。

まさか自分が将来同じ仕事をするとは……当時は思っても見ませんでした。

海外赴任して現場の壮絶さを横目で見る

相変わらず労働意欲の感じられない僕に、「ちょっと鍛えてもらってこい」ということで、海外赴任の辞令が言い渡されました。
東南アジアにある工場です。仕事は相変わらず材料分析で、やっぱり製造部門=現場で見つかる不良品の原因調査が主な仕事でした。
ただ量と納期が段違い。

「1時間後に客がこの不良の件で乗り込んでくるからなんとかしろ!」
「30分以内に原因がわからないとラインが止まる! すぐ結果出して!」

もう毎日が戦争。誰だ日本の品質は最高とか抜かしてるやつ。

実際、不良品ができない日はないし、いつまでも同じような問題が繰り返されているし、原因が分かってもいろんなしがらみでうやむやにされるし……。
我ながらよくぞここまで追い詰められて、「このままじゃいけない!」と奮起しなかったなと思います。

僕は相変わらず傍観者で、「この人たち仕事に潰されるんじゃないか?」と現場で死にそうになる品質管理の人たちを見ていました。

まさか自分が将来同じ仕事を……2回目なので以下省略。

そして製造部門(現場)の品質管理へ

海外赴任が終わり、帰国して程なく製造部門に移るよう言い渡されました。THEお払い箱。

「品質管理を担当して欲しい」

うわあ……。

まあ、今までも品質管理という名のクレーム処理の手伝いをしていたわけですし、いつかこんな日が来るだろうと思ってはいました。
しかし僕の品質管理としての仕事始めは、予想以上に最悪でした。

【品管品証デビュー】地獄の幕開けから最初の成功まで

最初に任された製品は、あろうことか会社で最もクレームを出しているモデルでした。
新人に任せんなよそんなもん……。

モーター作ってんだかクレームを作ってんだか、金稼いでるんだか客の怒りを稼いでるんだかわからないと言われていた製品です。
ひどい時は日毎に新しいクレームがやってきました。
挙句に品質管理としての最初の出張は、地球の裏側にある客の工場まで出向いて謝罪するという始末。

職場の不燃物と言われた僕も、さすがに追い込まれました。

こんな仕事、定年までやってられん……。

前職のスキル、コネ、経験をフル活用

ようやく追い込まれた僕は、とにかく自分の中で使えるものは片っぱしから使いました。

  • 夜な夜な以前の部署に忍び込み、勝手に設備を動かして不良品をじっくり分析
  • 一度挨拶した人は知り合いとばかりに部署や会社関係なくアドバイスを収集
  • 現地の言葉で直接製造を担当しているメンバーと繰り返し議論

前職で培った技能、海外赴任経験で得た人脈と語学スキル。
果ては大学時代に買わされて一度も開かなかった専門書も引っ張り出して。

とにかく必死にクレームをさばき、ごまかしながら、裏ではゆっくりでも確実に現場の問題をつぶしていきました。

すると次の年にはクレームが半分、その次の年にはさらにその半分と、着実に数を減らしていくことができました。

超問題製品を担当して4年。ついにクレームゼロ達成

品質管理になってから4年。絶不調時は年間80件を超えるクレームを出していた担当製品は、ついに年間クレーム件数ゼロを達成しました。あー死ぬかと思ったホント。

過大評価とは思いつつ、以下のような個人報酬もいただけました。

  • 昇給・賞与査定は4年連続で上位10%ランクイン
  • 社長賞受賞(ちょっと豪華なお小遣い貰いました)
  • 現在は月の残業10時間以内

正直に言えば市況の変化とか、優秀な上司先輩に囲まれたこと、海外工場の現地人の頑張りに助けられた結果ですが、それでも今の好環境は自分の行動の結果だと思っています。

何もしなければ、きっと今も大量のクレームに頭を悩ます日々だったでしょう。

気づけば0.01%の人材になってた?

20年近くクレームを出し続けた製品が、4年でクレームゼロになった。
達成できた要因は、新しい視点でものを見たからだと思います。

製造現場の実務的な視点に、材料分析の理屈が入って確実な原因を捉えられるようになりました。

後から知ったことですが、藤原和博さんという方が『必ず食える1%の人になる方法』『100万人に1人の存在になる方法』という著書で、こんなことを言っています。

  • 1つの分野に1万時間を投じたら100人に1人のプロになれる
  • 1000人に1人の人材になるのは大変だけど、100人に1人なら誰でも到達できる
  • 3つの分野でプロになれば、100×100×100=100万人に1人の存在になれる

僕は材料分析の仕事で1万時間、品管品証で1万時間を投下し、両者を合わせて働いています。

つまり1万人に1人=0.01%の人材に、気づけばなれていたのかもしれません。確信は持てないですけれど……。

『安心』それだけを求めて

以上、僕がブログを始めた理由とこれまでの経緯でした。

とにかく働くなら安心した気持ちで働きたい。
いつクレームが来るのかと不安に駆られる品管品証の仕事ですが、僕は今、けっこう安心した気持ちで働けています。
それはクレームが来なくなったからというより、どんな問題にも改善策は出せると知ったからです。

品質管理・品質保証だって、安心して働く方法はあるんだと、このブログを使って伝えたいと考えています。

まだまだ未熟なサイトと僕ですが、ここにある記事のどれかが少しでもあなたの役に立つことを願って。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。